食べたら出せばいいの?

こんにちは、ミキです。

「食べた物はすぐに出す」とばかりに、実際に便秘をしていないのに下剤を使用する女性は、あいかわらず多いようです。下剤が比較的安く、簡単に手に入るので、やせ薬として使用するわけです。しかし、これは実際、当人たちが思っている以上に深刻な問題です。このような習慣はキッパリやめなければいけません。自分の食欲を抑えきれずに食べてしまったあと、太ることをおそれて口に指を突っ込んで吐いたり、強力な下剤を使用したりするのは、本来、思春期の女性の拒食症の回復期における「多食期」や「多食症」の女性たちにみられる特徴です。しかし、この傾向は、とくに下剤の乱用は、いずれの病気ともいえない、ごく一般的な学生、OL,そして主婦にさえ増えているのです。

 「やせたい」という気持ちがあるにもかかわらず、「食べたい」という欲求を抑えきれなくなって、たくさん食べてしまう。その食べたいものがいつまでもお腹の中にとどまっていると、どんどん栄養が吸収され、体重もどんどん増え続けるだろうと思いこむ。すると、いてもたってもいられなくなり、「このままでは、大変なことになる」
「早くなんとかしなくては」というパニックに陥り、下剤の使用ということになるわけです。

 食べてから下剤を使うことによって、食欲を満たし、同時にやせたい気持ちをも満たせる、食べても太らない、素晴らしい方法が見つかった、このように思うのも無理からぬことかもしれません。しかし、これはとんでもないことなのです。私たちの食欲の情報は、脳にあるコントロールセンターですべて管理されています。ここではいろいろな信号を手がかりに体のなかの栄養状態や摂取状態をチェックし、それを大脳に報告しています。その報告をもとに、大脳では「お腹がすいた」「食べたい」あるいは「お腹がいっぱいになった」という感覚がおこるわけです。このとき自分で考え、自分で摂取行動をおこしたりやめたりするので、つい自分で意識的に食べたり食べなかったりしているように思いがちです。

 でも、実は、コントロールセンターからの情報を頼りに行動しているのです。つまり、私たちの行動はすべてコンピューター制御されているようなものです。さて、コントロールセンターから食べろと命令がでて、大脳が食行動をおこし、実際に食べ物が胃に入りました。そこまではいいのです。でも、入ってきたものを下剤を使って即座にだしてしまうとどうなるでしょうか。栄養があいかわらず不足のままなので、コントロールセンターには不足の信号が入り続けることになるのです。

 せっかく食べろの命令をだしたのに栄養が少しも満たされません。そこで、もっと強い命令をだして栄養を獲得しようとします。すると、「食べたい」という強い衝動がおこります。結局、たくさん食べてはまた下剤という行動をとるようになってしまうのです。しかも、下剤の使用量もどんどん増えていき、悪循環が繰り返されることになってしまうのです。